■受賞者コメント(青森テレビ賞受賞)
1999年夏、「サホロ湖環境アートの森」(北海道・新得町)で、
2000本の木の幹に2000枚のマスクを掛けました。ガーゼのマスクは木の呼吸
<Silent Breath>とともに次第に汚れ、変色していきます。
それらのマスクを随時採集しては、
その変容の過程を版画作品に仕立ててきました。一連の作品は、
絵画的な要素を持ちながら、そうしたマスクの標本的な意味合いを持っているのです。
この作品のマスクは、木が6年にわたって掛け続けたものです。
その頃になると、意図的に採集せずに残しておいたマスクも、
朽ちたり風がさらったりで、
ほんのわずかしか残っていませんでした。
とりわけ大切なマスクの1枚に、受賞という光を当てていただき、うれしい限りです。 |